草加松原の七夕飾り。色とりどりの飾りと短冊が竹に揺れる / Tanabata decorations at Soka Matsubara — colorful ornaments and paper wish strips swaying on bamboo

今日は、七夕ですね。

7月になると、ショッピングモールや公民館や学校などで、たくさんの飾りのついた竹を見かけるようになります。先日、買い物に行く途中で草加松原に立ち寄ったら、ここにも七夕飾りが風に揺れていました。

📋 この記事を読むとわかること
  • 吹き流し・網飾り・巾着……七夕飾りそれぞれの意味
  • 七夕の由来(中国の星伝説×日本の棚機)
  • 七夕にそうめんを食べる理由(私は今回初めて知りました)
  • 90代・80代・50代、三世代の短冊の願い事

子供の頃の七夕

思い出せば、毎年この時期になると、保育園や小学校の工作の時間に折り紙で吹き流しや輪飾りを作ったり、短冊にお願い事を書いたりして、竹に飾るのが恒例でした。

七夕集会というものもあって、全校生徒が体育館に集められて、色とりどりの飾りとみんなの短冊がついた竹の周りで七夕の歌を歌ったことを、おぼろげながら覚えています。

私が知っていた七夕は、こうです。織姫と彦星がなんらかの理由で天の川のこちらとあちらに引き離されていて、1年に1回、7月7日しか会えない。そして、その日に雨が降ったら、その機会さえなくなってしまうらしい。

時期的に日本は梅雨の真っ只中。子供心に、その日が晴れだと「2人が会えてよかったな」と思い、雨が降れば「1年に1回しかチャンスがないのに、かわいそうに」と思ったものでした。

七夕飾りには、それぞれ意味がある

ちなみに、あの頃なにも考えずに作っていた七夕飾りには、実はそれぞれ意味があるそうです。

  • 吹き流し……織姫の織り糸を表す。機織りや裁縫の上達を願う
  • 網飾り……漁で使う網。豊漁・豊作、幸せをすくい上げる
  • 折鶴……家内安全と長寿。家族の年長者の歳の数だけ折るところも
  • 巾着……金運アップと倹約の心
  • くずかご……飾りを作ったあとの紙くずを入れて、整理整頓と物を粗末にしない心を育てる

願掛けだけでなく「くずかごに紙くずを入れて飾る」なんていう教育的な飾りまであるのが、なんとも日本らしいなあと思います。子供の頃に知っていたら、巾着を量産していたかもしれません。

短冊が五色(青・赤・黄・白・黒)なのも、中国の五行説から来ているそうです。「♪五しきの たんざく〜」と歌っていたあの歌詞、ちゃんと意味があったんですね。

七夕の由来を調べてみた

なじみのある行事のはずなのに、由来はまったく知らなかったので、今回ちょっと調べてみました。

どうやら、中国の星伝説(牛飼いの牽牛と、機織りの名手の織女のお話)と、織女にあやかって機織りや書道などの芸事の上達を星に祈る中国の宮中行事が日本に伝わり、日本古来の豊作を祈る神事「棚機(たなばた)」と結びついたのがルーツのようです。

何百年も前から、人は星に願い事をしてきたんですね。

旅立ちの町の、願い事

ところで、七夕飾りを見かけた草加松原は、松尾芭蕉が「おくのほそ道」の旅の最初の日にたどり着いた場所として知られています。国指定名勝にもなっている、松並木の美しい旧日光街道です。

ここには「旅立ち手形」という木の札があって、訪れた人がそれぞれの願いや旅立ちへの想いを書いて掛けていきます。

草加松原の旅立ち手形。願い事の書かれた木の札と七夕飾り / Tabidachi tegata (departure wish plaques) beside Tanabata decorations at Soka Matsubara

七夕の短冊と旅立ち手形が並んで風に揺れているのを見て、なんだかいいなあと思いました。江戸時代の俳人も、令和の私たちも、やっていることは同じ。願いを書いて、風に揺らして、祈っている。

七夕にそうめん!?(今回初めて知りました)

由来を調べていて、もうひとつ初めて知ったことがあります。七夕には行事食があって、それがそうめんなのだそうです。主婦歴26年、まったく知りませんでした。

ルーツは意外と古くて、中国から伝わった「索餅(さくべい)」という縄のようにねじったお菓子だそうです。7月7日に索餅を食べると1年間病気をしないという言い伝えが、いつしか同じ小麦のそうめんに変わっていったのだとか。

白いそうめんを天の川や織姫の織り糸に見立てる、という説もあって、そちらのほうがロマンチックで私は好きです。

せっかく知ったので、我が家も今夜はそうめんにしようと思います。薬味はたっぷり派です。

90代・80代・50代の短冊

私の母が通っているデイケアサービスでも、毎年七夕のイベントがあるそうです。

母の10歳上のお友達が短冊に書いた願い事が、素直でお茶目すぎて、クスっと笑ってしまいました。

🎋 三世代の短冊

90代のお友達「美味しいものをたくさん食べられますように」
80代の母「家族が健康で過ごせますように」
50代の私「すべての心配事から解放されますように」

年をとると子供に戻るなんて言いますが、あまりに邪気のない願い事で、なんだか感動してしまいました。

さて、私の願い事の中身はというと——老後のお金のこと、介護のこと、子供のことなどなど。絶え間なく続く心配事に、正直疲れ切っている今日この頃です。

でも、90代のお友達の短冊を思い出すと、少しだけ肩の力が抜けます。いつか私も、あんなふうに「美味しいものがたくさん食べられますように」とだけ書ける日が来るといいなあ。

30年後の七夕の私の願い事が「チーズケーキがたくさん食べられますように」になっていることを祈りつつ。みなさんの願い事が叶いますように。